クマの被害が全国で急増、対策方法は?

最近ニュースでクマ被害のことをよく目にします。北海道のヒグマだけでなく本州のツキノワグマでも被害が増えてきてるようです。

今年の5月、北海道の朱鞠内湖でとても痛ましいヒグマの死亡事故がありました。被害にあった方はベテランの釣り師だったようですが運悪くクマが襲ってくればどんな人間だろうとどうにもならない相手なんです。

僕はここ10年くらいで4回程ヒグマと遭遇しています。と言っても面と向かって対面したわけではなく車での移動中や仕事中での目撃になります。それだけでなくヒグマの足跡もこれまでにないほど多く見かけるようになりました。

ヒグマの足跡

去年撮影したものですが左側はあきらかなヒグマの足跡で、右側はおそらくヒグマが歩いて凹んだ所に落ち葉が溜まってます。いずれも渓流釣り途中で見かけたものになります。

近場の畑ではヒグマが作物を食い荒らす被害も増えてます。街中にも出没するようで夜中や早朝にウォーキングなんてしてる場合じゃないですよ。

こんな状況で川釣りに行くためには、僕ら釣り師がどんな対策をしていけば良いのかを考えていきます。

クマ対策グッズを使用する

定番のクマ対策グッズと言えば、熊鈴、爆竹、熊よけホイッスル、熊スプレーでしょうか。

いざ出会って戦闘状態になってしまった場合はナイフも重要な武器になるでしょうがこちらは適切に管理しなければ警察に見つかった場合うるさく言われます。
(知り合いのおじさん談)

対策グッズの中には賛否両論の物もありますが、持ってないよりは持っていたほうが良いとされるので僕は100%効果を信じてるわけでは無いですがいくつか持ち歩いて行動しています。

では上で列挙したグッズを1つずつ解説していきます。

熊鈴

熊よけの鈴

熊鈴は昔から使われてる対策グッズの一つです。熊に自分の存在を知らせて、その音を聴いた熊が自分から遠ざかっていくという物です。
それ以外に熊が事前にこちらの存在に気づいていれば、驚いて襲ってくる可能性が低くなるという見方があるようです。

果たして、熊鈴の効果のほどは・・・。

というのも今と昔では人の生活はかなり変わってしまいました。昔は山に仕事で行く人も多くて、山の中に畑や作業場があったりして人の出入りが多くありました。
それだけでなく熊自体が人間の狩りの対象であり貴重な食料でした、熊にとって人間は天敵だったわけです。

そのような時代に使われてきた鈴と、今の時代の鈴ではヒグマに対して同じ効果が得られるのかという話しです。

昔の熊にとって鈴の音とはまさに恐怖の音だったんじゃないかと思うんです。

だからと言って、じゃあ必要ないよねって言うのは別問題で今度は人が人の存在を知らせるために鈴は重要なアイテムになります。

だいぶ前ですが背丈ほどある藪からガサガサと大きな音を立てて近づいてくるものがいて、すごい怖い思いをしたんですがそこから出てきたのはなんとおばちゃんでした・・・

鈴は熊避け以前に山に入るためのマナーとして装着したほうが良いというのが僕の見解です。

爆竹

爆竹

爆竹とは?もしかしたら今の若い子は見たことないかもしれません。
昔はそこら辺のお店に良く売ってましたが、昨今ではまったく見なくなりましたね。

花火の一種で導火線に火を点けると1~2秒後にバチバチバチと連続で音を立てて爆裂するわりと危ないものです。子供の頃はこれがおもちゃとして流通してたわけなんですが。
そもそもおもちゃではなく、古くからある動物を追い払うための道具です。

熊に対する効果は有るにはあるようですが、逆に驚いた熊が襲ってきたという事例もあるみたいです。基本的に動物の聴覚は人間よりも遥かに優れています、そのため大きな音というのは人間以上に大きく聴こえます。また熊は聴覚だけでなく嗅覚も凄いので火薬の匂いを嫌うみたいなことも言われてます。

それ以外にもバチバチと閃光を放つので熊はより驚くことになります。

ただ、これは目の前に熊が現れてある程度の余裕がある時に使用するものです。突然襲ってきた熊には爆竹を準備するだけの時間は無いと思います。

熊避けホイッスル

ホイッスルというと笛のことですが、口で吹くタイプの物とボタンを押すことで何か音が出る電子タイプの物があります。正直これに関しては微妙かなと個人的に思ってます。

音がそれほどビックリするものではありませんし、音量もあまり大きくはありません。
人もそうだと思いますが急に爆裂音がするのと笛の音でどちらのほうが驚くかと言われたら前者だと思うんです。

また熊に自分の存在を知らせるにしても定期的に笛を鳴らさなければいけないですし、それなら動くたびに鳴る鈴のほうが良いと思います。

ホイッスルではありませんが、メガホンやサイレンの音が効果的だと聞いたことがあります。さすがにホイッスルと比べると馬力もサイズも違うので持ち運ぶには厳しいです。

熊撃退スプレー

熊撃退スプレー

熊と退治した際の最終兵器となるのが熊撃退スプレーです。自分も所持してますが1万円ぐらいします。少し高価ですが使用は1回きりになると思います。

熊撃退スプレーには2つのタイプがあります。1つはツキノワグマやイノシシのようなサイズを相手に使うタイプ、ヒグマやグリズリーを相手に使うタイプの2つです。もちろん北海道で使うのは後者のほうです。前者のほうが価格は安いですが、自分の命を守るために金銭的妥協をしてはいけません。

少し高いですがこれはとてつもない威力です。試し吹きをしたことありますが、自分に当たらないように気をつけたのに1時間くらい涙が止まらず、鼻もムズムズしてくしゃみも出て、咳き込んでいました。

こんなものをまともに喰らったらヒグマであろとひとたまりもないです。
それだけ危険なものなので熊と遭遇したからといってむやみに使用するものではありません。

出来るかぎり戦闘にならないよう、爆竹などで引かせるか、自分が引くかを考える必要があり冷静に対処する必要があります。

あくまで熊撃退スプレーは最後の手段になります

ナイフなどの武器

山に行くならそれようのナイフを所持して行く人はいると思います。自分は渓流奥地に行く場合にのみ携帯してましたが、現在はそこまで行かないので持って行くことはありません。

いざ熊と戦闘になった場合、素手の人間では絶望的なほどの戦力差だと思います。正直ナイフがあったからといってその差はそこまで縮まらないと思います。
しかも、ヒグマの毛てかなり硬いんです。既に解体されて毛皮だけになったやつですが触った感じゴワゴワしてて一本一本の繊維が硬い印象でした。皮膚の分厚さと硬さも人間とは比べ物になりません。

そのせいで、ナイフで攻撃したとしても厳しいなぁという思いがあります。
逆にヒグマのほうは全身が凶器と言っていいくらいで、母親の知り合いにヒグマに肩を叩かれて骨が砕けた人がいるなんて話しを聞きました。

もはや人間とは別次元の強さ。

備えは必須、自分の命は自分で守らなければ

僕の渓流釣りでの基本装備は鈴と爆竹と熊撃退スプレーとなっています。以前はナイフも持ってましたが今は使用していません。

「備えあれば憂いなし」とまでは言えませんが、無いよりはあったほうが自身の生存確率が上がるのはたしかでしょう。いざという時に丸腰よりも何か武器を持っていたほうが少しの安心感を得られ、それが冷静さに繋がる可能性だってあります。

増え続ける熊の事故を減らすためにも自身が勉強して、個人がその対策を考える必要があります。楽しい釣りライフを送るにも安全対策をしっかりおこないましょう。

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